工業用内視鏡について
1.工業内視鏡とは
構造解析ソフトによって理論的に合理的な設計が出来上がります。しかし、実際に組み上がった状態を直接見たいという要求は以前からありました。しかしながら、その見たい箇所の多くは組み上がった部品の奥にあり、外部からは見ることができません。
そこで工業用内視鏡によって見えない部分を可視化し、暗い場所でも光ファイバーの光源で明るく照らします。
設計と実際の比較など設計の支援ツールとして幅広く利用されています。
工業用内視鏡で何が見える?
内視鏡は多目的に利用されています。部品内部の加工精度、溶接個所の裏側、バリの有無など。また、定期点検で材料の破断・ひび割れ確認、さびの発生、不具合など非破壊で検査が可能です。
応用として流体や加熱下あるいは低温下における物質の状態、また、真空装置内部の検査にも利用が広がっています。
自動車産業、航空機、各種部品メーカー、金型、電気メーカー、その他研究用に用いられています。
工業用内視鏡ってどんな形
3種類あります。
- ボアスコープ
レンズを使用し、精度の高い画質が得られます。
サイズはφ1.0mmからφ12mm, 長さは50mmから1480mm - ファイバースコープ
ファイバーを利用した内視鏡で、手元で内視鏡先端部の首を左右、前後に動かしながら、複雑な場所の確認に有効です。
φ0.35mmからφ12mm - ビデオスコープ
先端部にCCDを内蔵し、鮮明な画像が得られるフレキシブルな内視鏡で、手元で先端部の操作が可能です。また、レーザーを利用した計測できる機種もあります。
工業用内視鏡はどう使うの
(1) 簡単に直接目でアイピースから見ることができます。
(2) 汎用のデジタルカメラを接続して記録に残せます。
(3) 工業用デジタルカメラを使い、モニターを見ながら現場で効率よい検査ができます。
(4) 専用のコンパクトに設計された記録表示装置もあります。
工業用内視鏡でテストしてみたいが
弊社エイシーティでは、ドイツの内視鏡専門メーカーであるカールストルツと業務提携を行っております。テスト・評価のご希望があれば貴社の現場で、実機を用いてデモを行っております。貴社にとり最も適したご提案を致します。
2.工業用内視鏡による可視化と計測
(1) 工業用内視鏡による可視化と計測
工業用内視鏡は、製品の成形過程、また成型後において、例えば部品内部の加工精度、接合箇所の裏側、バリの有無等、多目的に利用されています。また、定期点検で材料の破断、ひび割れ、さびの発生、不具合等非破壊検査が可能です。応用として、流体や加熱或いは低温下における物質の状態、また真空状態内部の検査にも利用が広かっています。
工業内視鏡で可視化した例を下図に示します。
また、工業用内視鏡は、部品を計測することも可能です。(下図は、実験室で計測した参考例)
このように、自動車、航空機の各種部品、また金型成形部品の成形過程、また成形後の製品確認、及び計測を実務的の行うことが可能です。
(2) 実験・計測と構造解析結果との検証
実験および計測方法、また現在のシミュレーション技術を統合することによりコストをかなり下げることができますが、中・長期的な製品の損傷、疲労の影響を評価するには、モニタリングし、損傷状態、強度等を確認する必要があります。
下図は、変形(歪み)状態と有限要素解析(FEA)による比較検証を例示している図であります。
定期的な検査で、モニタリング計測、及び有限要素解析結果(変形状態、歪み、応力)により、製品の損傷状態、強度、寿命予測、設計、運転操作、そして管理において使用できる情報が得られ、製品のシステム的な一元管理が可能となります。
3.工業内視鏡の各分野での使用例
- 真空中での現象の観察
- 電子部品のBGAはんだ接合部の使用例
- ボアスコープによるBGAはんだ接合部の観察
- ファイバースコープによるBGAはんだ内部接合部の観察
- アルミ製シリンダーヘッドフランジのドリル穴部の使用例
詳細はこちらから
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