MPACTシステム・カスタマイズ・ツールキット:MPACT MDB
このサイトでは、連成解析システムMPACTをカスタマイズするツールキットについてご紹介します。
MPACT MDBとは
- MPACT MDB(Model Data Base)は、連成解析MPACTシステムを拡張して使うために用意されたツールキットです。
- MPACT MDBを用いることより、外部の新たなアプリケーション・プログラムから、MPACTシステムを構成する3つのコンポーネント、すなわちMpaveMesh、Mpave Model、MpactSolverのファイル情報の読み込むことができます。(下図参照)
そして、その情報を有効に活用することにより、各種の用途にMPACTシステムを拡張することができます。
- これらのファイルは、ASCII形式が基準なりますが、モデル規模により効率化を図るため、バイナリ形式へ変更することも可能です。
- MPACTシステムでは、MPACT MDBを分離することによりMPACTSolver本体の変更あるいは拡張を効率よく行い、開発に柔軟性をもたらす様設計されています。
- MPACT MDBも、MpactSolverプログラム同様Microsoft Visual C++、version 6.0、SP 6の環境で開発されています。
MPACTシステムを構成する3つのコンポーネント
- MpaveMesh (Multi Physics Visual Environment Mesh):
ソリッド・モデルの生成および自動/半自動でのメッシュ分割を行うソリッドモデラ・メッシャ。
- MpaveModel (Multi Physics Visual Environment Model):
有限要素法解析のためのプレおよびポスト・プロセッサ。
- MpactSolver (Multi Physics Adaptive Computer Technology Solver):
ソルバ(解析)部分であり、線形と非線形解析の2つのモジュールがある。
また、連成解析機能も搭載。
MPACT MDBが持つデータベースのファイル構成
また、MPACT MDBが持つデータベースは、ASCII形式で、次の3つの個別ファイルから構成されています。
- FEファイル:これは拡張子「.fe 」を持つファイルであり、ヘッダ情報、有限要素の節点および要素結合情報を持つFEバルク・データです。
- GEOファイル:これは拡張子「.geo 」を持つファイルであり、有限要素の離散モデルであるソリッド・モデルの幾何形状情報を持っています。この情報は、要素および節点による頂点、エッジ、サーフェス、ソリッドの表現を記述します。
- DATファイル:これは拡張子「.dat 」を持つファイルであり、ヘッダ情報、解析コントロール、材料定義、境界条件など有限要素解析のために必要となる全ての情報を持っています。
MPACT MDBを用い作成したアプリケーション
MPACT MDBを用い作成したアプリケーションの幾つかを以下にご紹介します。
- 有限要素入力データ変換と幾何学エンティティ抽出プログラム:Fe2Geo
- Fe2Geoは、既存の有限要素法プログラムの入力データを迅速にMPACTプログラムの入力データに変換したり、また外部のアプリケーションソフトで使用するために、任意の節点におけるMPACTの解析結果をファイルに保存するプログラムです。
- 4面体要素-6面体要素メッシュ変換プログラム:CONVERTOR
- CONVERTORは、4面体要素から6面体要素を生成するプログラムです。1つの粗い4面体要素を4つの6面体要素に分割しています。
- この方法は、粗い要素より発生する誤差が重要な領域に影響を及ぼさないよう、全ての要素を再分割するアプローチで、一般的でかつ有効なアダプティブな手法でもあります。
- 4面体要素メッシュのエッジ部再分割プログラム:DIVIDER
- DIVIDERは、応力が集中するエッジ部分のメッシュを再分割するプログラムであり、4面体要素のみを対象としています。最も高い重み付きエラー・ノルムが存在する節点に、関係するエッジ全てを再分割します。
これを実施することにより、エッジ部のメッシュを効率的に改善出来ます。
- DIVIDERは、応力が集中するエッジ部分のメッシュを再分割するプログラムであり、4面体要素のみを対象としています。最も高い重み付きエラー・ノルムが存在する節点に、関係するエッジ全てを再分割します。
- 報告書作成支援プログラム:REPORTER
- REPORTERは、解析報告書作成支援のプログラムです。
着目する節点の解析結果をExcelを用い、表やグラフを作成することが出来ます。
- REPORTERは、解析報告書作成支援のプログラムです。
MPACT MDBに関するドキュメンテーション
MPACTをカスタマイズするために、以下のドキュメントを用意しています。
- MPACT MDB(Model Data Base)インタフェース・リファレンス・マニュアル
(目次掲載) - MPACT MDB Appendix:
MPACTシステムでの要素/節点に関する命名と番号付けの規則を説明a:4716 t:4 y:1