MPACT

マルチフィジクス連成解析システム:MPACT

1.概 要

  • MPACTはCAD、連続体力学、コンピュータサイエンス技術を駆使した、連成問題のための新しい汎用FEM解析システム。
  • MPACTには構造解析をはじめ、熱、電気、流体、音響の解析機能が用意されています。
  • 各種解析の実行に加え、これらがカップリングされた連成問題に、強連成の機能でアプローチします。

    MPACTシステムの体系

2.特 徴

  • 設計者、解析者向けの設計・解析支援ツール
    操作性・解析信頼性に優れ、実務設計者の設計活動の高度化・効率化を支援します。
  • 新しいCAE統合システム
    最新のコンピュータ・有限要素技術を活用した新しいCAEシステム
    情報共有できるデータファイルMDB (ModelDataBase)
    設計環境に即したPC稼働の安価なシステム
    オブジェクト指向言語による拡張性の確保
  • 充実したプレポスト機能
    ソリッドモデル作成とメッシュ分割
    解析結果の理解を支援する可視化機能
    Mpave/Pythonでの言語Pythonによるユーザー環境のカスタマイズ
  • 豊富な解析機能
    スパース法をはじめとする各種の数値解法の用意
    アダプティブ法による解精度の保証
    マルチCPUへの対応
  • 連成解析および弱連成解析機能
    Optimum LS FEM (Least Square FEM)法に基づく強連成手法
    各種物理現象を単一マトリックスで扱うことにより、高精度の解を得られる。
    強連成方程式により一括して解を得ることが可能
    Mpave/Pyhonにより、弱連成解析を実施

3.構 成

  • MpaveMesh : Multi Physics Visual Environment Mesh
    MPACTシステムの全体構成

    ソリッド・モデルの生成及び自動/半自動でメッシュ分割を行うソリッドモデラ・メッシャーです。
    六面体、四面体、四角形および三角形あるいはその混合によるメッシュ生成を行います。
    ソリッドモデル入力:ACIS/SAT, IGES
    ソリッドモデル出力:ACIS/SAT,IGES

  • MpaveModel : Multi Physics Visual Environment Model
    有限要素法モデルのプレポスト・プロセッサです。
    解析モデルへの各種設定と解析結果表示を行います。
    プレプロセッサ:解析条件、材料特性、境界条件の設定
    ポストプロセッサ:コンター図、ベクトル図、アニメーション表示、グラフ表示、クエリー表示
  • MPACT Solver : Multi Physics Adaptive Computer Technology Solver
    線形、非線形解析の機能をもつ有限要素法ソルバーです。
    また、p-hアダプティブ法を採用し、許容誤差範囲に至るまでイタレーションを行います。
  • Mpave/Python :Multi Physics Visual Environment Python
    スクリプト言語Pythonに基づくCAE支援環境プログラムです。
    各種の解析支援や外部プログラムなどシステムの統合、カスタマイズが可能です。
    また、各部品モデルをアセンブリした統合モデルの作成を支援します。

4.解析機能

  • 構造解析
    • 線形解析/非線形解析
      幾何学的非線形:大変形、大ひずみ、幾何剛性
      材料非線形:弾塑性、超弾性、クリープ、Mohr-Coulomb、
      ユーザー定義材料
      境界非線形:接触、摩擦、Tie/Glue接触
    • 静的解析/固有値解析/過渡応答解析
    • 座屈解析:固有値座屈、飛び移り座屈(弧長法)
  • 伝熱解析
    • 熱伝導/熱伝達/熱放射/相転移/接触による熱伝導
    • 定常解析/非定常解析
  • 電場解析
    • 電圧/電荷
    • 定常解析/非定常解析
  • 流体解析
    • 層流/非圧縮性流体
    • 定常解析/非定常解析
  • 音場解析
    • 定常解析
    • 固有値解析、周波数応答解析
  • 連成解析
    • 構造-伝熱、構造-流体、構造-電場
    • 構造-音場、熱-流体、構造-伝熱-流体、
    • 構造-電気-伝熱、etc…

5.解析オプション

  • 解法
    スパース法(直接法、反復法)、フロンタル法、JPCG法(Element by Element)
  • アダプティブ法
    アダプティブh法、アダプティブp法、その混合
  • 要素タイプ
    各要素タイプには、1次要素および高次要素があります。
    トラス要素、ビーム要素、パイプ要素
    シェル要素(薄肉シェル、厚肉シェル)
    平面要素 (平面応力、平面ひずみ、軸対称)
    ソリッド要素(4面体、6面体)

6.適用分野

MPACTは汎用解析ソルバーであり、さまざまな工学問題の解析に適しています。
以下に参考適用例を示します。

  • 機械部品の変形、破損
  • 機械部品のアセンブリ、締結、接合
  • ゴム、フォーム材の変形
  • 電気・電子部品のクリープ変形
  • 衝撃、落下の過渡応答
  • 疲労破壊の評価
  • 電気、電子部品の加熱過程(ジュール発熱 等)
  • 電気、電子部品の冷却過程(空冷、水冷 等)
  • MEMS・マイクロアクチュエータの動作検証
  • 機械の振動による放射音
  • etc

    MPACT適用事例

7.対応システム

  • Windows 32bit 7, 10
  • Windows 64bit 7, 10
  • Linux 32bit RedHat, SUSE (MPACT Solver)

8.MPACTドキュメント

Mpactの使用法、モデル化の方法、解析事例等、豊富な各種ドキュメントを用意しています。

  • MpaveMeshリファレンスマニュアル
    ソリッドモデル作成およびメッシュ作成に関するリファレンスマニュアル。
  • MpaveModelリファレンスマニュアル
    解析のための諸条件作成および解析結果表示に関するリファレンスマニュアル。
  • MPACT解析手引書
    Mpactの操作法、各種解析モデルの作成法など設計・解析技術者向けのMpact解析手引書
  • GETTING STARTED WITH MPAVE-MPACT (英語、日本語訳)
    設計技術者のための解析手引書
  • MPACT 解析事例集(オプション)
    Mpactよる線形・非線形解析、連成問題、接触問題など解析事例集
  • MpaveMeshの操作手引書 (オプション)
    解析対象の幾何形状モデリングと有限要素メッシュ生成ための入門書
  • MDBインタフェースプログラミング・マニュアル(オプション)
    Mpact/Mpaveのモデルデータをカスタマイズするプログラム