PHACT_Flow2Dは、世界で汎用的に用いられている粒子法であるSPH(Smoothed Pareticle Hydrodynamics)法に基づく2次元熱流体解析プログラムであり、以下その内容について説明します。
1.熱流体解析機能
非圧縮及び弱圧縮流れを解析する機能、及び温度場を解析する機能を有しています。
(1)流れ解析機能について
①自由表面流れ
②気液2相流
③強粘性・非ニュートン流体
(2)熱解析機能について
①温度解析
②凝固・融解等の相変化を伴う温度場の解析
③相変化に伴う収縮・膨張(密度変化)
(3)これら流体と熱との連成問題を解析する機能
以下に、PHACT_Flow2Dの詳細機能を整理したものを示します。
2.適用事例(動画)
以下、PHACT_Flow2Dを用いた適用事例を紹介します。
・障害物を押し流すダムブレーク流動
1.ダム状の水が一気に流れ、障害物を押し流すダムブレーク流れを解析
2.弱圧縮性(WC)、δ-SPH法を用いる
3.水-壁、水-障害物、障害物-壁間の境界はスリップ条件
・空洞内流れ(Driven Cavity)
1.空洞内の流体が上部の蓋の定速運動に引きずられて攪拌、混合ずる挙動を解析
2.弱圧縮SPH(WCSPH)を用いる
3.流体-蓋間はノンスリップ条件。流体-壁間はスリップ条件
・噴流(Jet Flow)
1.速度を持った流体が小さい孔から空間中にほぼ一方向に噴出する現象を解析
2.弱圧縮SPH(WCSPH)を用いる
3.水-平板間はスリップ条件
・3Dプリンターの流動挙動(強粘性流動)
1.熱溶融方式の3Dプリンター模擬体のノズルから出される樹脂の流動、固化・凝固解析
2.非圧縮SPH法(ISPH)を、時間法には陰解法を用いる
3.溶融粘度は、せん断速度依存にべき乗則を、温度依存性にWLFモデルを用いる
・水中気泡上昇流動(気液2相流)
1.水中を上昇する気泡のシミュレーションを実施
2.非圧縮SPH法(WCSPH)を用いる
3.気体を液体が連成する気液2相流を計算
・垂直型スラブ引抜き時の冷却(鋳造問題)
1.連続鋳造の引抜(鋳型に対する固相の相対運動)過程の冷却を垂直型スラブ鋳造の単純モデルで実施
2.弱圧縮性SPH法(WCSPH)を用いる
3.流体壁間はスリップ条件、端部は流出境界
・コニカモールドの引け巣解析(鋳造問題)
1.コニカモールドの湯流れ、凝固解析を行い、引け巣発生のシミュレーションを実施
2.非圧縮SPH法(ISPH)を用いる
3.材料はADC12、流体壁間はスリップ条件
・流路拡大部のガス巻込み(鋳造問題)
1.流路拡大部における空気排出現象をシミュレーションする
2.陽解法を用い、気液2相流計算を実施する
3.計算結果を尾崎らの論文(日本機械学会A,73,726)と比較した
3.保守サービス、教育、ドキュメンテーションについて
- 電話、メールによる直接サポート
エイシーティ(株)のエンジニア
必要に応じ、Zoomによるオンラインサポートを実施 - マニュアル類
解析手引書(Getting Started):解析の特長、入力データ、操作方法の説明
例題集 :解析内容、解析条件、解析結果の説明
動画と入力データ集(各種例題の動画と入力データを収録)
解析結果の可視化手引書:流動形状、温度分布、ベクトル図、アニメーション他 - バグレポート
- FAQ
- 各種講習会を実施(トレーニングコース、SPH粒子法に関するベーシック、アドバンストコース)